蒼い死者 4

「先輩…。先輩…。」
『あのう。』
「なによ。なれなれしくしないで頂戴。あなたのせいで、先輩は。」
『すみません。』
「さあ。死者は死者らしく。雪に。帰りなさい。」
『えー。』
「不満でもあるの。雪に帰れば安らかな眠りが待っているのよ。」

蒼い死者 3

「ああ…。ああ…。先輩。なんというお姿に。」
≪おれの力が。及ばなかった。なんという有様よ。≫
≪色に染まってしまったデスガーディアン程みじめなものはない。雪音。≫
「なんでしょう。」
≪もう。会う事もあるまい。おれは番人としての失格者だ。≫
「そんな。」
≪お前ならばよい相手が見つかるだろう。おれはおれの生きる道をいく。≫
≪その青かった娘はお前が裁いてやるがいい。では。さらばだ。≫
「先輩！」

蒼い死者 2

『ナニヲスル！ワタシノイロヲウバイトルナ！』
「貴女は死者。色を手にしてはならないのよ！」
≪ぬぅうぅむぅ！なんという青の強さよ！≫
≪この器には入りきらん！≫
「先輩！」
≪かくなる上は……これしかない！≫

蒼い死者 1

『ワタシハヨミガエル！イロヲヨコセ！ワタシヲヨミガエラセロ！』
≪むう。死者のようだな。≫
≪それも、随分と荒ぶっている。≫
「青さも尋常では。ありませんね。」
≪本来あれの持つべき色でないのだろう。≫
≪お前だけでは心もとないな。≫
≪よし、協力して色を抜き取るぞ。≫
「はい。」

雪原の番人 3

≪おお。雪音。≫
≪それだけはだめだ。≫
≪なぜならばお前は未熟者だからだ。まだ一人の死者も導けていない未熟者。≫
「未熟。なのですか、わたしは。」
≪そうだ。特に胸が。≫
「胸が。」
≪もっと経験を積み。成長するのだ、この雪原で。≫
≪特に胸を。結婚の話はそれからだ。≫
「わかりました。では再会をお待ちしています。先輩。」
≪ああ。ああ。楽しみにしているぞ、成長を。≫
「おや。先輩、あれは？」